2004年10月に日本橋をスタートして、2008年5月に京都三条大橋に到着するまで結局3年と6ヶ月を要してしまった。最初に歩き終えるまでの目標を設定せず、気の向いたときに歩いたのでかなりの長期間となってしまったようである。
京都三条大橋では、昔お世話になった職場の上司がお孫さんと一緒に花束を持って迎えてくれたのには感激した。また途中、学生時代の同級生との再会を果たす事ができたり、街道筋にある遠くの親戚の家を訪ねたり、昔の会社の同僚と久しぶりに再会し、酒を酌み交わし一夜を過ごせたのも良い思いでとなった。
また街道を歩いていると、たくさんの同好の士ともめぐりあう。そのうちの一人とは、宿を共にし、酒を酌み遅くまで語りあった。街道筋の名所・旧跡を訪ねるのも楽しみであるが、こうした沢山の人とめぐりあい、話を交わすのも街道歩きの楽しみの一つかも知れない。
通常の旅は、鉄道・バス・飛行機等を利用するので、いわゆる点と点を結ぶ旅となる。歩いて旅をする事は、出発点から到着点まで線の旅となる。これは初体験であったが、旅を楽しむひとつの方法かも知れない。それに歩くことにより行く先々で地元の人と触れ合う事ができ、話をする事ができるのも楽しい体験であった。
また歩いて旅する事により、地形が良く頭に入る。昔の国境がなぜそこにあったのか、歩いて見ると良くわかる。天然の地形が要塞となり、そこが自然に国境となったように実感できる。
昔の人は足弱の老人・子供でも1日40kmを歩いたと書物にある。しかし1日でこの距離を歩くことは至難の技である。私の場合は1日25kmが限界であった。現代人は歩く機会が少ないので、昔の人に比べると脚力が相当衰えているのかも知れない。
東海道を歩き終えて、歩く楽しみを実感できたので、今後も機会を見つけ他の街道歩きに挑戦してみたい。 今、次にどの街道に歩こうかと案を練っているところである。